クロックを少し下げるだけでワットパフォーマンスが激増するSapphire NITRO+ Radeon RX 6700 XTの消費電力計測

AMD RDNA2ベースのビデオカード「Radeon RX 6700 XT」の消費電力を計測していきます。
nVidia Geforceシリーズに対するPowerLimitでの検証もしていきます。

消費電力・ベンチマーク

PC構成

CPUAMD Ryzen 9 5950X
M/BASUS STRIX B550-F GAMING
MEMORYCFD W4U3200CM-16G
VGASAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 6700 XT OC
電源Corsair AX850
SSDSANDISK Extreme PRO SDSSDXPM2-500G-J25
OSWindows10 Pro 21H1
その他TK-FDM109
GbLAN接続
DP接続4K(3840×2160)
ワットチェッカー REX-BTWATTCH1
検証環境

アイドルの計測結果

■UEFI設定 defaultからの変更箇所
ErP Ready [Disabled] -> [Enabled(S4+S5)]
Enegy Star Ready [Disabled] -> [Enabled]
CEC Ready [Disabled] -> [Enabled]
LED lighting [All on] -> [Aura off]
Global C-State Control [Auto] -> [Enabled]

UEFI設定消費電力
SAM Off Idle26.9W
SAM On Idle27.4W

負荷時の計測結果

Smart Access Memory Off

計測内容平均消費電力最大消費電力スコア結果画像
3DMark Time Spy371W392W13238result
3DMark Time Spy Extreme344W371W6400result
3DMark Port Royal309W326W5894result
3DMark Fire Strike361W405W33047result
3DMark Fire Strike Ultra315W352W8718result
FFXIV 1920 x 1080 高品質
デスクトップ ウィンドウ
307W402W24520
非常に快適
result
FFXIV 3840 x 2160 高品質
デスクトップ ウィンドウ
340W380W10586
非常に快適
result

Smart Access Memory On

計測内容平均消費電力最大消費電力スコア結果画像
3DMark Time Spy374W397W13308result
3DMark Time Spy Extreme345W366W6434result
3DMark Port Royal308W332W5895result
3DMark Fire Strike364W417W33252result
3DMark Fire Strike Ultra317W363W8709result
FFXIV 1920 x 1080 高品質
デスクトップ ウィンドウ
309W408W25322
非常に快適
result
FFXIV 3840 x 2160 高品質
デスクトップ ウィンドウ
340W400W11011
非常に快適
result

Power Limitの変更

Smart Access Memory Onの状態
電力制限で変更できる範囲は-6%~+15%までと幅が小さいです。
3DMark Time Spy Extremeで計測しました。

計測内容平均消費電力最大消費電力スコア
-6%336W362W6392
0(default)345W366W6434
15%354W385W6435

電力制限は-6%でも+15%でもdefult設定からほぼ変わらず、電力制限が機能しているのかも分からないレベルです。

AMD純正ツールにて最大周波数と電圧を変更して計測する

Smart Access Memory On / 3DMark Time Spy Extremeにて計測しました。

最大周波数は19%までスライドバーを動かせますが、そこで設定を適用すると強制的に22%に設定されました。
電圧は76%が最低値なので、効率の面から最大周波数は50%以下は意味ないです。

最大周波数22% / 電圧76% が設定できる最低値
最大
周波数
電圧平均
消費電力
最大
消費電力
スコアグラフィック
スコア
GPUクロック / メモリクロック
100%100%345W366W64346151
90%95%233W286W594456232332MHz / 2028MHz
80%90%214W251W544751052159 / 1990
70%85%182W245W495045971816 / 2612
60%80%180W228W441540591564 / 1990
50%76%177W205W383434871312 / 2348
22%76%172W204W19041673601 / 2548

最大周波数90%/電圧90%では3DMark Time Spy Extremeが完走せずに途中でエラーとなりました。

最大周波数を100%から90%に下げるとスコアが約10%落ちますが、最大消費電力80W減/平均消費電力は110W減とかなり高効率になります。

FFXIV 1920 x 1080 高品質 ウィンドウ

最大周波数電圧平均
消費電力
最大
消費電力
スコア
100%100%309W408W25322
90%95%262W313W24435
80%90%245W275W24263
70%85%239W268W23271
60%80%235W261W22175
50%76%215W252W20177
22%76%165W212W9942

最大周波数を100%から90%に下げると3DMarkほど平均消費電力は下がりませんでしたが、最大消費電力を大きく下げているので、最大周波数を100%の効率の悪さが目立ちます。

雑感

最近のCPUと同じくGPUもdefaultのまま使用すると電力効率はあまり良いものではなく、設定で少し絞るだけで効率が良くなります。
Radeon RX 6700 XTも最大周波数と電圧を少し下げるだけで電力効率は上がります。
消費電力減=発熱も減るのでケース内部の温度管理も楽になるので、ゲームによってGPUに余裕がある場面ではクロックを下げるやり方はおすすめです。

しかしGeForceのPowerLimit(Power Target)とは異なりAMD Softwareが不安定なのが残念です。
PCをシャットダウン→起動からのAMD Software立ち上げてエラーがあったのでdefault設定に戻すといったようなことが何度も起こりました。

Sapphire NITRO+ Radeon RX 6700 XTはベンチマーク中でもファンは静かですがコイル鳴きがあり、そのノイズが目立ちます。

Radeon RX 6700 XTの価格帯は同ランクのGeForce RTX 3070に比べると若干安いですが、性能も少し負けている印象があるので、フラッグシップでなくてもいいのでどこかのランク帯で価格でも性能でも明確にGeForceからアドバンテージを取れるGPUの登場に期待したいです。

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