Ryzen 7 5700Gの消費電力 電圧固定でスイートスポットを探る

CPUがZen3コアのAPU & Vega 8グラフィックスでFluid Motionが有効な最上位APU、Ryzen 7 5700Gを検証します。
コア電圧固定によりどのCPUクロックが一番電力効率がいいのか探ります。

PC構成

CPUAMD Ryzen 7 5700G
CoolerDeepCool AS500 PLUS WH
M/BASUS STRIX B550-F GAMING
MEMORYCFD W4U3200CM-16G
電源Seasonic SSR-750TD
SSDSeagate FireCuda 530 ZP500GM3A013
OSWindows10 Pro 21H1
その他logicool MK240
GbLAN接続
DP接続4K(3840×2160)
ワットチェッカー REX-BTWATTCH1
検証環境

UEFIのバージョンは2423です。

UEFI Autoの消費電力・ベンチマーク

アイドル

メモリクロックは3200MHz CL22-22-22-52
■UEFI defaultからの変更点
CEC Ready
Erp Ready
Enegy Star Ready
Global C-state Control
全てEnabledに変更

■電源設定
電源プラン[バランス]デフォルトからの変更点
PCI Express
 リンク状態の電源管理
 [適切な省電力] -> [最大限の省電力]

Idle消費電力:12.3W

Ryzen Socket AM4の構成ではかなり低い値がでました。

APUはCPUコアとI/Oが別ダイになったチップレット構成とは異なり、CPUコア、GPUコア、I/Oが1個になったモノリシック構成になっています。
それが影響しているのか、Ryzenはチップレットのものよりモノリシックの方がIdle消費電力が低い傾向にあります。

負荷時

計測内容消費電力スコア
Cinebench R23 Single42.5W1501pts
Cinebench R23 Multi115W13902pts
DQXベンチ 最高品質 1920×1080 ウィンドウ71.8W13508
すごく快適
FFXVベンチ 高品質 1920×1080 ウィンドウ
デスクトップモード(PC)
80.8W3741
快適

Cinebench R23 Singleのクロックと電圧は4.625GHz@1.456V、
R23 Multiは4.275GHz@1.269Vでした。

クロック/電圧固定

0.925VまではUEFIが立ち上がらないことがありました。マザーボードのVGAランプが点灯したまま止まります。
0.9Vテスト時にWindowsの自動修復準備中になり、そこから進まずOS再インストールすることになりました。

CPU
クロック
UEFI
CPU Vcore
HWINFO読み
CPU Vcore
Idle
消費電力
CBR23
消費電力
CBR23
スコア
効率
3.6GHz0.950V0.900V12.7W59.9W11980pts200.00
3.7GHz0.975V0.925V13.1W63.3W12378pts195.54
3.8GHz1.000V0.950V12.9W64.5W12743pts197.56
3.9GHz1.025V0.975V12.8W68.5W13064pts190.71
4.0GHz1.075V1.019V13.1W76.2W13444pts176.43
4.1GHz1.100V1.038V13.0W78.3W13808pts176.34
4.2GHz1.150V1.081V12.9W88.6W14069pts158.79
4.3GHz1.175V1.106V13.0W88.8W14419pts162.37
4.4GHz1.225V 1.150V13.1W100W14755pts147.55
4.5GHz1.300V1.219V13.4W112W15125pts135.04
4.6GHz1.375V1.281V13.4W128W 15439pts120.61
4.7GHz1.525V1.413V13.6W166W3分あたりで
エラー

※CBR23 = Cinebench R23 Multiの計測
※効率 = Cinebench R23 Multiの消費電力 / Cinebench R23 Multiのスコア
効率はCPU単体ではなく、システム全体の消費電力から割り出しています

CPU Vcoreの設定はCinebench R23 Multiが通る最低限の電圧になります。
まず実用では不安定になる可能性が高いです。

CPUのクロック変更(OC/DC)、電圧変更は自己責任となります。

雑感

以前検証したRyzen 5 5600Xと今回の検証で使用したRyzen 7 5700Gは同じZen3コアのCPUなので、結果も似たものとなりました。
最も効率が良いラインが3.9GHz以下、4.3GHzまでは性能も効率もバランスが取れるライン、4.4GHz以上は若干無理している感じです。

消費電力はAuto設定でもアイドル+100W程度と最近のCPUとしては控え目です。
固定電圧で3.9GHz以下、もしくはPrecision Boost OverDriveをオフにすれば12cmファン搭載のCPUクーラーを緩く回して静音PCにしたり、薄型CPUクーラーしか搭載できないスリムPCでも運用が可能なレベルです。
Ryzen 7 5700GはSocket AM4の最上位APUですが、電力周りの設定をうまく制御すれば非常に扱いやすいAPUです。

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