
最近の65W Core i5シリーズは安価で人気なxx400とKなし最上位のxx600に挟まれ一番不遇なxx500番台です。
しかし何故かCore i5の中ではxx500番台が一番欲しくなります。もしかしたら奇数が好きなのかもしれません。
Core i5 12400とCore i5 12500はCPUクロックが若干違う他、内蔵グラフィックがIntel UHD Graphics 730とIntel UHD Graphics 770の違いがあります。
第11世代のCore i5 11500内蔵グラフィックのIntel UHD Graphics 750も合わせた違いは以下となります。
GPU実行ユニット(EU)数
24基:Intel UHD Graphics 730 (ブーストクロック 1300 MHz)
32基:Intel UHD Graphics 750 (ブーストクロック 1300 MHz)
32基:Intel UHD Graphics 770 (ブーストクロック 1450 MHz)
11世代の11500があまり安くならなかったので、12世代もそうなるだろうと思って購入したらあまり時間が経たず3000円ぐらい安くなったのでちょっと泣きたくなりました。
(購入日2022/1/15)
CPU/CPUクーラー等の写真
消費電力・ベンチマーク
PC構成
CPU | Intel Core i5 12500 |
CPUクーラー | リテール |
マザーボード | GIGABYTE Z690 UD |
MEMORY | Corsair CMK32GX5M2B5200C38 DDR5 4800 CL40-40-40@1.1V |
電源 | Seasonic SSR-750TR 750W |
SSD | SANDISK SDSSDXPM2-500G-J25 |
ベンチ台 | STREACOM BC1 |
OS | Windows10 Pro 21H1 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
UEFI version F6
室温27.6℃

アイドルの計測結果
・UEFIデフォルトからの設定変更箇所
ErP [Disabled] -> [Enabled]
C-state Control [Auto] -> [Enabled]
CPU Enhanced Halt(C1E) [Auto] -> [Enabled]
C6/C7 State Support [Auto] -> [Enabled]
C8 State Support [Auto] -> [Enabled]
C10 State Support [Auto] -> [Enabled]
Package C State limit [Auto] -> [C10]
・Windows電源設定
PCI Express
リンク状態の電源管理
[適切な省電力] -> [最大限の省電力]
アイドル消費電力:14.8W
CPU温度:32℃
CPUファン回転数:1523rpm
アイドルは僅かに音が発しますが、リテールクーラでも十分に静音です。
アイドル消費電力がCore i5 12600Kの12.6Wから増えていますが、CPUの個体差ではなくソフトウェア制御側かと思われます。Core i5 12500もWindows10インストール時は12.7Wを記録していましたが、いつの間にか14.8Wまで上昇していました。
3種のCPUクーラーで負荷時の計測
以下の3種のCPUクーラーで負荷時の計測を行いました。
・リテールクーラー
・SCYTHE 虎徹 MarkⅡ(KOTETSU マークⅡ)
・Deepcool AS500 PLUS
計測内容 | リテール CPUクーラー | 虎徹MkII | AS500PLUS |
アイドル消費電力 | 14.8W | 14.7W | 14.7W |
↑ CPU温度 | 32 ℃ | 30℃ | 29℃ |
↑ ファン回転数 | 1523rpm | 657rpm | 562rpm |
Cinebench R23 Single スコア | 1796pts | 1799pts | 1798pts |
↑ 消費電力 | 60.6W | 60.4W | 58.9W |
↑ 最大CPU温度 | 57℃ | 52℃ | 51℃ |
↑ 最大ファン回転数 | 2678rpm | 974rpm | 961rpm |
↑ CPUクロック/電圧 | 4.6GHz@1.188V | 4.6GHz@1.188V | 4.6GHz@1.188V |
Cinebench R23 Multi スコア | 12674pts | 12704pts | 12684pts |
↑ 消費電力 | 128W | 121W | 120W |
↑ 最大CPU温度 | 85℃ | 62℃ | 62℃ |
↑ 最大ファン回転数 | 3125rpm | 1150rpm | 1194rpm |
↑ CPUクロック/電圧 | 4.1GHz@1.068V | 4.1GHz@1.080V | 4.1GHz@1.080V |
FFXIV 漆黒のヴィランズ フルHD 高品質(デスクトップPC) ウィンドウ | 2798(やや快適) | 2833(やや快適) | 2850(やや快適) |
【リテールクーラー】
付属のCPUクーラーではCinebench R23 Singleでも回転数がかなり上がり、風切り音が大きいです。ただし、CPU温度は57℃なのでファンコントロールでもう少し低い回転数にしても余裕がありそうです。また、サーマルスロットリングは起きていません。
高負荷時は3000回転オーバーでさらに風切り音が大きくなります。このサイズで100Wオーバーの排熱を処理するので仕方ないです。
別途CPUクーラーを用意するかはリテールクーラーが許容できるか確認してからでも遅くありません。しかしCPUクーラーを付け替える判断となったときにPCケースを組み込む時は、バックパネルが大きく空いてなかったり、大型のビデオカードを挿しているときはそのまま付け替えができないことがあるので音が気になりそうという不安がある人は最初から別途CPUクーラーを購入しておいたほうが良いです。
またリテールクーラーのブッシュピンが前世代のものより固い(挿しづらく、抜きにくい)のとどっち方向に回せばピンを抜ける位置なのか分かりづらいので、個人的には積極的に使いたくないです。ユーザーフレンドリーじゃないですね。
【虎徹MkII】
虎徹はCinebench R23 MultiでCPUファンが1000回転オーバーです。虎徹付属ファンでの最大回転数付近です。そこそこ冷えるけど全開でも静音という印象そのものなので風切り音は全開でも煩いと感じることがなく、Core i5 12500も十分に冷やせています。
【AS500 PLUS】
AS500はCore i5 12500ならかなり余裕に冷やせると予想していましたが、意外にも虎徹と同じようなファン回転数で負荷時の温度も似たような傾向です。
AS500は14cmファンというアドバンテージがあるはずなのですが、同じ回転数であれば虎徹のファンの方が風切り音が小さいので、Core i5 12500だけで考えると虎徹の方が有利です。
もっと上位のCPUで実力が発揮されるCPUクーラーです。
TBoff / TDP設定変更による変化
ターボブーストオフとTDPの設定を変更しつつCinebench R23 Multiを10分完走させました。
TDP1Wという無謀な設定もしてみました。
TDP設定 | CPU クロック | HWINFO読み CPU Vcore | CB R23 消費電力 | CB R23 スコア | 最大温度 | 効率 |
TBoff | 3.0GHz | 0.900V | 72.3W | 9221pts | 45℃ | 127.54 |
95W | 4.1GHz | 1.080V | 121W | 12706pts | 62℃ | 105.01 |
85W | 4.1GHz | 1.080V | 122W | 12686pts | 63℃ | 103.98 |
75W | 4.0GHz | 1.068V | 119W | 12114pts | 64℃ | 101.80 |
65W | 3.8Ghz | 1.032V | 108W | 11730pts | 57℃ | 108.61 |
55W | 3.5GHz | 0.996V | 95.9W | 10997pts | 52℃ | 114.67 |
45W | 3.3Ghz | 0.948V | 81.2W | 10187pts | 47℃ | 125.46 |
35W | 3.0Ghz | 0.900V | 73.8W | 9241pts | 45℃ | 125.22 |
25W | 2.6Ghz | 0.828V | 60.6W | 8168pts | 42℃ | 134.79 |
15W | 2.1GHz | 0.768V | 50.8W | 6483pts | 38℃ | 127.62 |
5W | 1.1GHz | 0.708V | 36.8W | 3076pts | 32℃ | 83.57 |
1W | 0.4GHz | 0.708V | 29.6W | 1185pts | 32℃ | 40.03 |
※CB R23 = Cinebench R23 Multi
※効率 = CB R23消費電力 / CB R23スコア
※Idleはdefault設定とほぼ同じ消費電力なので掲載せず
Cinebench R23 Singleは1周だけ回しました。
TDP25W以上は1800ptsあたりで変化しません。
それ以下は徐々にスコアが下がっていきます。
TDP15W 1717pts
TDP5W 1281pts
TDP1W 157pts 0.4GHz@0.708V 26.3W
※TBoff 1171pts 3.0GHz@0.888V 36.3W
TDP1Wでは明らかにWindowsの起動時間も長くなり、各アプリケーションやWebブラウズの遷移もかなりもっさりします。(ついでにUEFIの操作ももっさりです。)
電力効率はTB offのCPUクロック3.0GHz付近が良く、そのあたりがスイートスポットになりました。
雑感
デスクトップCPUのミドルレンジを担うCPUで6コアながらCinebench R23 Multiで12700pts近いスコアを叩き出し、AMD Ryzen 7 3800XやIntel Core i7-10700Kと少し前の8コアと同等のスコアとなっています。
かなり進化が早いと思う一方、消費電力についてはTB onで100W近く消費し8コアのRyzen 7 3700Xに近しいです。
ビデオカードも高電力化しており、CPUも性能重視で負荷時の消費電力は下から上まで全体的に上昇傾向です。
電力上昇は排熱にも気を配る必要があるので、どこかで高止まりすることを願っています。
とはいえCore i5 12500はそこまでシビアに考える必要もなく、空冷のCPUクーラーでも12cmファン搭載のCPUクーラーであれば静音性を保ちつつ冷やせます。
ただしコンパクトな筐体に収める場合は負荷時100WクラスのCPUだということを忘れてはいけません。
性能/価格面を考えると前世代より確実にコストパフォーマンスは上がっています。少なくともマザーボードの価格が多少高くても、今11世代Coreシリーズを選択する必要はないと思えるCPUです。
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