Core i3 12100はリテールクーラーで冷やしきれるのか

1万円台で買えるCoreシリーズCore i3 12100は安価なPCを作る上で有力な候補になります。
ただし他のAlder Lake CPUと同じように消費電力も増大しているのでリテールクーラーとNoctua NH-L9iで冷却性能が充分か確認します。

CPU/CPUクーラー等の写真

CPU表
CPU裏

クーラーの形状はCore i5 12500と全く同じなのですが、ファンの仕様がCore i5 12500のDC12V 0.35Vに対し、Core i3 12100はDC12V 0.3Vと異なります。

Ark Selection Memory ARD5-U16G46SB-48B-D

今回使用するDDR5メモリ ARD5-U16G46SB-48B-D
JEDEC準拠のDDR5-4800/PC5-38400 16GB(8GBx2枚組)です。
Arkスプリングセール2022で14,080円でした。
検証用に余っているDDR5メモリがなかったので購入しましたが、DDR4に比べて同容量でまだ倍近く高いです。

STRIX B660-I GAMINGがDDR4だったら購入してないと思いますが、それでも昨今は部材不足で値下がり傾向のDDR5メモリもどうなるか分からないので、セール品を見つけた時点で買っていたかもしれないです。

シンプルな白箱
中身はプチプチに入れられていてこれもシンプル
片面4チップ実装で、裏面なし

消費電力・ベンチマーク

PC構成

CPUIntel Core i5 12100
CPUクーラーリテール
Noctua Noctua NH-L9i
マザーボードROG STRIX B660-I GAMING WIFI
MEMORYARD5-U16G46SB-48B-D
DDR5 4800 CL40-39-39@1.1V
電源Seasonic SSR-750TR 750W
SSDCrucial P5 CT1000P5SSD8
ベンチ台STREACOM BC1
OSWindows10 Pro 21H1
その他logicool MK240
GbLAN接続
DP接続4K(3840×2160)
ワットチェッカー REX-BTWATTCH1

UEFI version F6
室温24.7℃

PC検証環境

アイドルの計測結果

UEFIデフォルトからの設定変更箇所
LED lighting [All On] -> [Aura Off]
ErP Ready [Disabled] -> [Enabled(S4+S5)]
CPU C-state [Auto] -> [Enabled]
Packege C State Limit [Auto] -> [C10]

Platform Misc Configuration
 PCI Express Native Power Management [Disabled] -> [Enabled]
 Native ASPM [Disabled] -> [Enabled]

PCH – PCI Express
 DMI Link ASPM Control [Disabled] -> [L1]
 ASPM [Disabled] -> [L1]
 L1 Substates [Disabled] -> [L1.1 & L1.2]

SA – PCI Express
 DMI ASPM [Disabled] -> [ASPM L1]
 DMI Gen3 ASPM [Disabled] -> [ASPM L1]
 PEG – ASPM [Disabled] -> [ASPM L0sL1]

Aggressive LPM Support [Disabled] -> [Enabled]

・Windows電源設定 電源プラン[バランス]デフォルトからの変更点
ワイヤレスアダプター
 省電力モード
 [最大パフォーマンス] -> [省電力(高)]
PCI Express
 リンク状態の電源管理
 [適切な省電力] -> [最大限の省電力]

アイドル消費電力:14.2W
CPU温度:32℃
CPUファン回転数:1185rpm

アイドルはリテールクーラでもほぼ無音です。
Core i5 12500のリテールクーラーよりさらに静音に感じます。

リテールクーラーとNoctua NH-L9iの比較

2種のCPUクーラーで負荷時の計測を行いました。
・リテールクーラー
・Noctua NH-L9i

STRIX B660-I GAMING WIFIにはLGA1200用の穴もあるので、NoctuaのNH-L9iが使用できます。

比較用としてCore i5 12500 リテールクーラーの計測結果を載せます。
検証環境が同一でないため一部の計測結果は非表示としています。

計測内容リテール
CPUクーラー
NH-L9i※比較用
Core i5 12500 +
リテールクーラー
アイドル消費電力14.2W14.3W
↑ CPU温度32 ℃30℃
↑ ファン回転数1185rpm955rpm1523rpm
Cinebench R23 Single スコア1674pts1676pts1796pts
↑ 消費電力51.0W48.0W
↑ 最大CPU温度51℃50℃
↑ 最大ファン回転数1338rpm1301pm2678rpm
↑ CPUクロック/電圧4.3GHz@1.066V4.3GHz@1.066V4.6GHz@1.188V
Cinebench R23 Multi スコア8457pts8451pts12674pts
↑ 消費電力85.1W85.0W
↑ 最大CPU温度71℃72℃
↑ 最大ファン回転数2173rpm1839rpm3125rpm
↑ CPUクロック/電圧4.1GHz@1.030V4.1GHz@1.030V4.1GHz@1.068V
FFXIV 漆黒のヴィランズ フルHD
高品質(デスクトップPC) ウィンドウ
2360(普通)2378(普通)2798(やや快適)

【リテールクーラー】
Cinebench R23 SingleではCPUファンの回転数がアイドルより若干高い1300rpmを超えますが、ほんのわずかに風切音が聞こえるぐらいで、まずファンの騒音が気になる場面皆無といっていいぐらいです。
Core i5 12500のリテールクーラーと明らかに違いがありました。
シングルブースト時のCPUクロックが4.3GHz、コア電圧が1.066Vなのでかなり控えめで扱いやすいです。

Cinebench R23 Multiはファンの回転数が2000rpmを超え、ファンの風切音が聞こえます。それでもCore i5 12500と比較すれば1000rpmほど低く、排熱処理にまだ若干の余裕が見られます。
エンコード作業などのCPU高負荷状態が長く続くような環境が多ければ別途CPUクーラーを用意する検討の余地がありますが、そうでなければなんかもうリテールクーラーでいいのではない感が検証中に湧きました。
虎徹クラスのCPUクーラーであれば高負荷時でも低回転を維持できるレベルです。

【Noctua NH-L9i】
アイドル時とCinebench R23 Singleはリテールクーラーとほぼ同じ傾向で、こちらもファンの音が気になる場面はないです。
Cinebench R23 Singleの消費電力がリテールクーラーより3W低いですが、Singleの場合は他タスクの影響で安定しか結果を取るのが難しいので、これでも誤差という認識で問題ないかと思います。

Cinebench R23 Multiの高負荷になってからがNoctua NH-L9iの本領発揮でした。
CPUファンの回転数は1800rpm付近で、リテールクーラーより300rpmほど低いです。
また風切音もファンの回転数なりに聞こえるのですが、リテールクーラーより耳につく感じがなく不快感が少ないです。

リテールクーラーはブッシュピンがマザーボード下に出るので取付時は若干写真より低くなりますが、
それでもNoctua NH-L9iは若干低いです

TB off / TDP設定変更による変化

ターボブーストオフとTDPの設定を変更しつつCinebench R23 Multiを10分完走させました。
リテールクーラーで検証しています。

計測内容TurboBoost
Off
TDP 65WTDP 35W
Cinebench R23 Multi スコア6764pts8447pts6846pts
↑ 消費電力60.0W86.7W62.8W
↑ 最大CPU温度59℃74℃58℃
↑ 最大ファン回転数1668rpm2265rpm1679rpm
↑ CPUクロック/電圧3.3GHz@0.906V4.1GHz@1.039V3.3-3.4GHz@0.906V

Cinebench R23 Singleは1周だけ回しましたが、TDP35Wでもdefault設定と同じ4.3GHzまで上がります。
TurboBoost Offは3.3GHz@0.906Vで1290pts、39.8Wでした。

TurboBoost OffとTDP35W設定のCinebench R23 Multiは同じような傾向になりました。
CPUファンの回転数が1700回転弱になり、音はかなり控えめになりますがファンの風切音が若干高音寄り気になります。
CPU default設定のNH-L9iのファンの方が音が大きいですが、不快感が少ないです。

TDP65設定はdefault設定と変化はありませんでした。

雑感

Core i3 12100はリテールクーラーでも70℃台という発熱面でも扱いやすいCPUですが、風通しの良いベンチ台での温度なので、余裕で冷やしきれているかと言われるとそうではないです。
ただ、とりあえずリテールクーラーで様子を見て気にならなければ使い続けるというやり方でも問題ないように思えます。
ただしリテールクーラーの取付方法であるブッシュピンは垂直方向にだけでなく左右にも”あそび”があるので、適当に乗せるとCPUクーラーの固定穴に嵌っていないことがあります。ブッシュピンを固定するにも結構力を使うので、かなり取り付けずらいという印象です。
負荷時の動作音はそれなりにするので、安価な12cmファン搭載のCPUクーラーであれば負荷時でもかなり静音のまま維持できるため、ケースに余裕があればそういったものを使用したいところです。

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