AMD対応のコンパクトベアボーン、ASUS PN50とASRock Deskmini X300を比較していきます。
デザイン
【PN50】全体的にヘアライン加工と排気口には斜めのスリットが入っており、どこから見ても安っぽさがなく高級感があります。外側の作りとしては全てプラスチックでできています。
【X300】Deskmini A300からフロントのデザインが代わり高級感でました。それ以外はA300と作りは同じで少し安っぽさがあります。フロント以外は金属です。排熱口は1つ1つのサイズが大きくホコリも入りそうですが、小さな筐体でも100Wを超える場合もあり、排熱を考えるとこれぐらいあった方がいいです。
サイズ
PN50がX300より2周りほど小さいです。またACアダプターを含めるとさらに差は広がりますが、どちらも筐体は小さいので置けないという場面は少なそう。
【PN50】本体サイズ:115mm × 115mm × 49mm
ACアダプター:約65mm × 65mm x 27mm ケーブル長:約180cm
ミッキーケーブル長:約80cm
【X300】本体サイズ:155mm × 155mm × 80mm
ACアダプター:約150mm x 63mm x 35mm ケーブル長:約180cm
ミッキーケーブル長:約180cm
X300の場合はWifiを搭載する場合はアンテナ分も考慮する必要があります。その際は奥行きが200mmぐらいになり、アンテナの向き次第で確保するスペースも変わります。
スペック
PN50-BBR025MD | Deskmini X300 | |
CPU | AMD Ryzen 3 4300U | 非搭載 Socket AM4 Renoir/Picasso/Raven Ridge対応 |
Graphic | Radeon Vega 5 | CPUによる |
MEMORY | 非搭載 SO-DIMMスロット×2 (最大64GB) | 非搭載 SO-DIMMスロット×2 (最大64GB) |
SSD | M.2スロット (Type M 2280)×1 2.5インチ SATA 6Gb/s x 1 | 2.5インチ SATA 6Gb/s x 2 M.2スロット (Type M 2280) x 2 ※CPUにより速度制限あり |
LAN | Realtek 8111EP ギガビットLAN | Realtek RTL8111H ギガビットLAN |
WiFi | Intel Wi-Fi 6 AX200 | 非搭載 |
電源 | ACアダプター 65W | ACアダプター 120W |
OS | 非搭載 | 非搭載 |
その他 | microSDスロット 本体にマイクを内蔵 | - |
PN50はCPU、WiFi、その他の箇所が最初から搭載されています。
フロントインターフェース
パワーLEDが両機種に搭載されていますが、どちらも落ち着いた色でまぶしいということはありません。PN50はフロントのUSB TypeCにDisplay Alt modeを搭載し画面出力も可能です。
PN50-BBR025MD | Deskmini X300 | |
USB | USB 3.2 Gen1 Type-C x 1(Display Alt mode) USB 3.2 Gen1 Type-A x 1 | USB 3.2 Gen1 Type-C x 1 USB 3.2 Gen1 Type-A x 1 |
Sound | オーディオジャック×1 (ヘッドフォン、マイク入力コンボジャック) | ヘッドフォンジャック x 1 マイク入力ジャック x 1 |
その他 | 電源ボタン(白色LED) HDD LED(白色LED) microSDカードスロット 赤外線センサー | 電源ボタン(青色LED) |
リアインターフェース
【PN50】PN50はUSB Type-CがDisplay Alt modeに対応しておりフロントポートと合わせると最大4画面出力が可能です。USBは全て3.0以上です。
【X300】A300から変わらず画面出力にD-Subを搭載しています。レガシーなディスプレイ出力のため現在の液晶ディスプレイによっては搭載しておらず、環境によっては3画面出力できません。
USBは2.0もあります。
PN50-BBR025MD | Deskmini X300 | |
USB | USB 3.2 Gen2 Type-C x 1(Display Alt mode) USB 3.2 Gen1 Type-A x 2 | USB 3.2 Gen1 Type-A x 1 USB 2.0 Type-A x 1 |
ディスプレイ | HDMI x 1 DisplayPort x 1 | HDMI x 1 DisplayPort x 1 D-Sub x 1 |
LAN | Gigabit LAN | Gigabit LAN |
その他 | 電源入力 | 電源入力 |
静穏性
【PN50】低負荷時は無音に近いですが、高負荷時は薄型ノートPCにありがちな高回転のシロッコファン特有の高域で耳障りな音がします。CPU負荷が100%続くような場面でないとそこまでには至りませんが、エンコード作業等の高負荷が続く場面にはあまり向かないのは残念です。
ネットブラウズでも動画ストリーミングなどすればファンの回転数も上がってくることがあります。一度回転数が上がると音は気になります。
【X300】CPUとCPUクーラーは変更できるので工夫すれば低負荷、高負荷時ともに静音性に優れるものが作れます。CPU次第で発熱もうまくコントロールできるのは利点です(その際は性能とトレードオフになりますが)。
ただ残念なのがACアダプターとマザーボードからのコイル鳴きです。シャットダウン時限定の事象ですがジリジリと鳴り、1m離したりディスプレイの裏に置いても部屋で音を鳴らさない場面になると聞こえてきます(UEFIでDeep Sleepオフにするなど回避策はあり)。
価格
※2022/1/15時点で価格.comの最安値で計算
【PN50】
内容 | 型番 | 価格 |
ベアボーン | ASUS PN50-BBR025MD | ¥40,451 |
SSD | WD Black SN750 SE NVMe WDS100T1B0E | ¥12,799 |
MEMORY | crucial CT2K8G4SFS832A | ¥6,292 |
合計 | ¥59,542 |
【X300】
CPUにはPN50のRyzen 3 4300Uと同じ4コア4スレッドのRyzen 3 3200Gを比較対象としたかったのですが、どこも販売してなさそうなのでRyzen 3 PRO 4350Gとしました。
また、X300付属のCPUクーラーは低負荷時でも気になる音を出すので交換した場合とWiFiを搭載したパターンも出します。
内容 | 型番 | 価格 |
ベアボーン | ASRock Deskmini X300 CPUとセット(ツクモの価格) | ¥38,800 |
CPU | AMD Ryzen 3 PRO 4350G | 上記セット |
SSD | WD Black SN750 SE NVMe WDS100T1B0E | ¥12,799 |
MEMORY | crucial CT2K8G4SFS832A | ¥6,292 |
合計 | ↓以下推奨環境 | ¥57,891 |
CPU Cooler | noctua NH-L9a-AM4 | ¥5,258 |
WiFi | Intel AX200.NGWG.DTK | ¥2,780 |
再合計 | ※推奨環境 | ¥65,929 |
Deskmini X300はカスタマイズできる部分があるのでそれにより値段は変動しますが、おおよそPN50と同一スペックにする合計金額も同じになりました。Wifi追加や静音性を上げるとX300の方が価格が高くなりますが、そこがX300の良いところで最低限で組み上げてから不満な部分は追加もしくは変更できるので、それに合わせて予算を調節できます。
まとめ
どちらも一長一短がありどちらを選べと言われても迷う状況です。
PN50のデザインを一回り大きくして負荷時のCPU騒音値を下げてくれればそちら一択なのですが、このサイズが魅力ですし静穏性を求めるとX300と同じぐらいのサイズになるのでモバイルCPUを積んだ意味もなくなりそうです。(個人的にはそういうのを求めている)
X300は何度も繰り返しになるのですがコイル鳴きが残念。使用するときはスイッチ式の電源タップにてPCシャットダウン時はそこからオフにしてします。小型ベアボーンながらSSD4台とCPU、CPUクーラーが交換でき、wifiスロットも搭載する拡張性あり、モノは素晴らしいです。
同じ小型ベアボーンでもターゲットとするところは若干異なる感じです。PN50は軽負荷で最大限のコンパクト性、X300は軽負荷~Ryzen 7 PRO 4750Gを積めば動画編集やエンコードがこなせる高負荷作業もできなくはないというように、PCのスペースは取りたくないけどノートPCより軽快な動作が欲しいときはX300(やH470)を選択することになるでしょう。
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