RDNA3アーキテクチャ採用GPU「RADEON RX 7600」を搭載する「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 7600 GAMING 8GB」の消費電力を計測していきます。
外観
ハイエンド~ミドルレンジのグラフィックカードの大型化が進んでいますが、「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 7600 GAMING 8GB」はデュアルファン、2スロット厚とかなり控えめな作りです。
背面はバックプレートが実装されています。
それでいてかなり軽く、ボードを支える補助部品は不要でしょう。
気をつけなければいけないのはスロットの形状はx16ですが、インターフェースとしてはPCI-Express 4.0 x8です。
補助電源コネクタは8pin x 1です。
出力は4端子(HDMI 2.1 x 1 / DisplayPort 1.4a x 3)あります。
消費電力・ベンチマーク
PC構成
CPU | AMD Ryzen 7 7700X |
Cooler | noctua NH-U12A |
M/B | GIGABYTE B650I AORUS ULTRA |
MEMORY | ARK ARD5-U32G88HB-56B-D |
VGA | SAPPHIRE PULSE RADEON RX 7600 GAMING 8GB |
電源 | SUPER FLOWER SF-1000F14HT |
SSD | crucial P5 Plus CT2000P5PSSD8JP |
OS | Windows11 Pro 22H2 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
■UEFI設定
defualtから以下を変更
・ERP Ready [Disabled] -> [Enabled]
・Global C-state Control [Auto] -> [Enabled]
■Windows電源設定
・ワイヤレスアダプターの設定
省電力モード [最大のパフォーマンス] -> [省電力(高)]
・PCI Express
リンク状態の電源管理 [適切な省電力] -> [最大限の省電力]
Idle消費電力
VGA取り付け前:38.7W
VGA取り付け後:65.1W
VGA取り付け後は4K@144Hzでの計測ですが、後述するマルチディスプレイ検証では取り付け前+15Wぐらいの上昇に収まっている設定もあります。
FullHD(1920 x 1080) 各種スコア
フルHDはCyberpunk2077でレイトレーシングを入れなければFSRオフでも平均96fpsとかなり動かせる印象です。
レイトレーシングをオンにするとフルHDでも厳しくなります。
Ryzen 7 7700XとRadeon RX 7600との組み合わせでゲーム時のシステム消費電力は300W超える程度となっています。
ピーク温度はバラック状態で71~73℃です。
ファンの音はフルロードでも静かな部類です。
タイトル | ピーク値 | 平均値 | ピーク温度 | スコア |
3DMark Fire Strike | 318W | 254W | 72℃ | 29479 |
FINAL FANTASY XIV FHD 高品質(デスクトップ) | 292W | 260W | 72℃ | 22850 非常に快適 |
FINAL FANTASY XV FHD 高品質(デスクトップ) ウィンドウ | 301W | 280W | 73℃ | 10077 とても快適 |
Cyberpunk2077 FHD プリセット:高 | 314W | 293W | 71℃ | 平均:126.66fps 最小:68.56fps 最大:190.64fps |
↑ FSRオフ | 303W | 289W | 71℃ | 平均:96.01fps 最小:72.38fps 最大:137.27fps |
Cyberpunk2077 FHD プリセット:レイトレーシング中 | 296W | 283W | 71℃ | 平均:52.97fps 最小:39.90fps 最大:65.18fps |
WQHD (2560 x 1440) 各種スコア
WQHDでも最高設定を求めなければそこそこプレイできそうです。
タイトル | ピーク値 | 平均値 | ピーク温度 | スコア |
3DMark Time Spy | 252W | 243W | 71℃ | 11312 |
3DMark Fire Strike Extreme | 269W | 240W | 70℃ | 14576 |
VRMark Blue Room | 243W | 238W | 69℃ | 2783 |
FINAL FANTASY XIV WQHD 高品質(デスクトップ) | 303W | 269W | 72℃ | 16342 非常に快適 |
FINAL FANTASY XV WQHD 高品質(デスクトップ) | 297W | 267W | 73℃ | 7184 快適 |
Cyberpunk2077 WQHD プリセット:高 | 303W | 289W | 71℃ | 平均:87.30fps 最小:65.39fps 最大:120.29fps |
↑ FSRオフ | 299W | 285W | 71℃ | 平均:61.00fps 最小:49.45fps 最大:83.65fps |
Power Limit検証
AMD純正ツールを使用して最大周波数と電圧を調整します。
3DMark Time Spyにて計測しました。
最大 周波数 | 電圧 | 平均 消費電力 | 最大 消費電力 | スコア | グラフィック スコア | ピーク温度 |
100% | 100% | 252W | 243W | 11312 | 10958 | 71℃ |
90% | 95% | 226W | 234W | 11231 | 10946 | 69℃ |
最大周波数80%は電圧93%と90%でもエラーが起きました。
純正ツールでも電力制限という設定はあるのですが、-6%~+15%と設定幅も少なく効果がほぼないです。
簡単に電力制御できるGeForceのPowerLimitと同等の機能が欲しいです。
シングル・マルチディスプレイ消費電力検証
シングル・マルチディスプレイ時にアイドルの消費電力が上昇するか検証します。
PHILIPS 4K | Acer FHD | 状態 | 消費電力 |
FHD 60Hz | – | – | 55.6W |
FHD 144Hz | – | – | 57.1W |
4K 60Hz | – | – | 51.4W |
4K 144Hz | – | – | 65.1W |
FHD 60Hz | FHD 60Hz | 複製 | 52.8W |
FHD 144Hz | FHD 144Hz | 複製 | 57.8W |
FHD 60Hz | FHD 60Hz | 拡張 | 54.8W |
FHD 60Hz | FHD 144Hz | 拡張 | 55.4W |
FHD 144Hz | FHD 144Hz | 拡張 | 58.5W |
4K 60Hz | FHD 60Hz | 拡張 | 73.0W |
4K 60Hz | FHD 144Hz | 拡張 | 67.9W |
4K 144Hz | FHD 144Hz | 拡張 | 82.9W |
4K 144Hz | FHD 360Hz | 拡張 | 82.3W |
Acer FHD=Acer XV252QFbmiiprx
状態=Windows11 マルチディスプレイのモード
シングルディスプレイでも4K 144Hzでは60Hzと比較して+10W以上も上がりました。
シングルの4K 144Hzはもう少し控えめに抑えて欲しかったです。
マルチディスプレイの画面拡張では消費電力を80W代を出し、60Hz時から大きく上昇します。
フルHD同士だと60Hzと144Hzを拡張にしても大きく消費電力は上がらず落ち着いています。
一方リフレッシュレート関係なくフルHDと4Kの拡張だと大きく上昇します。
こうした状況はGPUクロックは落ち着いたままでメモリクロックが大きく上がります。
超ざっくりまとめ
「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 7600 GAMING」はフルHDであれば大体のゲームは快適に動作します。
ただしレイトレーシングをオンにするとフルHDでも実用的ではありません。
デュアルファンのコンパクトな筐体でありながらフルロードでもファンはそこまで煩くなく、ケースに入れてしまえば騒音も気になる点は少ないと思われます。
初値4万円代中盤と少し高めとなっていますが、価格が下がってくれば前世代の600番台を置き換える存在になりえます。
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