NVIDIA「Ada Lovelace」世代のコンシューマー向けフラッグシップGPU「GeForce RTX 4090」を搭載したグラフィックボードの消費電力を計測します。
外観
消費電力・ベンチマーク
PC構成
CPU | Intel Core i9 13900K |
CPUクーラー | noctua NH-U12A |
マザーボード | MPG Z690 FORCE WIFI |
VGA | PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming ※VGAのLEDはdefaultのまま変更なし |
MEMORY | ARK ARD5-U32G88HB-56B-D |
電源 | SUPER FLOWER SF-1000F14HT |
SSD | Samsung 980 PRO MZ-V8P2T0C/IT |
ベンチ台 | STREACOM BC1 |
OS | Windows11 Pro 22H2 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
UEFI version:7D30vA91
■UEFI設定
Power Management Setup
ErP Ready [Disabled] -> [Enabled]
メモリ設定
DDR5-5200 CL42-42-42-84@1.1V
■Windows電源設定
電源プラン[バランス]デフォルトからの変更点
PCI Express
リンク状態の電源管理
[適切な省電力] -> [最大限の省電力]
アイドルの計測結果
3840×2160のディスプレイリフレッシュレート毎に計測しました。
UEFI設定 | 消費電力 |
GPU取り付け前 | (60Hz)28.1W (120Hz)28.4W (144Hz)28.5W |
GeForce RTX 4090取り付け後 | (60Hz)52.4W (120Hz)56.3W (144Hz)58.1W |
GPU取り付け前後では24W~30W違います。
液晶ディスプレイの周波数を変更するとコアクロック/メモリクロックが上がりませんが消費電力は上昇しました。
以降は特に記載がない場合、4K@144Hzで計測しています。
負荷時の計測結果
計測内容 | 平均消費電力 | 最大消費電力 | スコア |
3DMark Time Spy | 625W | 687W | 32233 |
3DMark Time Spy Extreme | 608W | 644W | 18188 |
3DMark Port Royal | 583W | 608W | 25998 |
3DMark Fire Strike Extreme | 465W | 639W | 48251 |
3DMark Fire Strike Ultra | 553W | 673W | 24607 |
FFXV 1920 x 1080 高品質 ウィンドウ | 490W | 616W | 22735 |
FFXV 3840 x 2160 高品質 フルスクリーン | 507W | 780W | 16003 |
Power Targetの変更
Power Limitを10%単位で下げて計測します。
3DMark Time Spy ExtremeとFFXV FullHDで計測しました。
3DMark Time Spy Extreme
30%と40%の変化がないのはおそらくCPUテストがMAX値となっているためCore i9 13900Kの最大値を出していたのだと思われます。
効率が良いのは50~70%あたりです。
Power Limit | 平均消費電力 | 最大消費電力 | スコア | 平均消費電力 / スコア |
100% | 608W | 644W | 18188 | 29.91 |
90% | 585W | 618W | 18049 | 30.85 |
80% | 488W | 564W | 17639 | 36.15 |
70% | 451W | 517W | 17055 | 37.82 |
60% | 409W | 459W | 16344 | 39.96 |
50% | 368W | 400W | 13959 | 37.93 |
40% | 322W | 357W | 11037 | 34.28 |
30% | 278W | 359W | 7906 | 28.44 |
FFXV 3840 x 2160 高品質 フルスクリーン
FF15はスパイク値が極端に上がります。
平均から200W以上計測するのは1秒/1回計測で大体3~7回程度です。
スパイク値を省くと平均+100Wが一番高い数値を出します。
スイートスポットは50~60%あたりです。
Power Limit | 平均消費電力 | 最大消費電力 | スコア | 平均消費電力 / スコア |
100% | 606W | 780W | 16003 | 26.41 |
90% | 603W | 744W | 15762 | 26.14 |
80% | 577W | 778W | 15687 | 27.19 |
70% | 524W | 726W | 15134 | 28.88 |
60% | 474W | 615W | 14340 | 30.25 |
50% | 421W | 611W | 13324 | 31.65 |
40% | 350W | 572W | 9806 | 28.02 |
30% | 287W | 473W | 6617 | 23.06 |
OCCT
OCCT電源テスト(CPU&GPU同時負荷)の最大値は910Wでした。
CPUとGPUが同時に100%負荷が続く状況はおそらくあまりないと思われるので、Core i9 13900KとGeForce RTX 4090をデフォルト設定で使用するには最低1000W必要、余裕を持って1200W欲しいところです。
設定で電力周りの制限(CPU TDP125W / GPU PL65)をかけてると同じOCCTの負荷で507Wになります。
4Kゲームスコア
所持しているゲームでベンチマークがあるものをテストしました。
CPUはRyzen 9 7950X3Dも追加しています。
4Kでは一部を除いてあまり差が出ませんでした。
計測内容 | 13900K | 7950X3D |
R6S(グラフィック品質:最高) | [avg] 358fps [min] 350fps [max] 357fps | [avg] 358fps [min] 356fps [max] 358fps |
Cyberpunk 2077 (クイックプリセット: レイトレーシングウルトラ+ スケーリング設定オフ) | [avg] 42.81fps [min] 31.35fps [max] 55.71fps | [avg] 42.89fps [min] 32.48fps [max] 55.58fps |
Cyberpunk 2077 レイトレーシングウルトラ+ DLSSバランス) | [avg] 89.79fps [min] 70.36fps [max] 111.42fps | [avg] 89.46fps [min] 52.21fps [max] 123.66fps |
Cyberpunk 2077 レイトレーシングウルトラ+ DLSSバランス+DLSS Frameオン) | [avg] 156.88fps [min] 105.06fps [max] 190.69fps | [avg] 158.58ps [min] 59.34fps [max] 304.88fps |
farcry6(グラフィック品質:最高) | [avg] 140fps [min] 129fps [max] 151fps | [avg] 138ps [min] 116fps [max] 150fps |
MSFS SOARING (TAA) | [avg] 96.5fps [min] 42.0fps [max] 132fps | [avg] 143.1fps [min] 19.3fps [max] 274fps |
MSFS SOARING (DLSS : BALANCE) | [avg] 116.4fps [min] 56.0fps [max] 136.5fps | [avg] 143.9fps [min] 61.7fps [max] 252.6fps |
WQHDゲーム平均消費電力
4KではなくWQHDでの消費電力計測です。
ゲームによって50~100W、MSFSでは200Wぐらい差がつきます。
消費電力ではRyzen 9 7950X3Dの方が明確に有利な結果となります。
計測内容 | 13900K | 7950X3D |
R6S(グラフィック品質:最高) | [avg] 469W [max] 511W | [avg] 418W [max] 458W |
Cyberpunk 2077 (クイックプリセット: レイトレーシングウルトラ+ スケーリング設定オフ) | [avg] 611W [max] 637W | [avg] 563W [max] 590W |
Cyberpunk 2077 レイトレーシングウルトラ+ DLSSバランス) | [avg] 602W [max] 650W | [avg] 508W [max] 524W |
Cyberpunk 2077 レイトレーシングウルトラ+ DLSSバランス+DLSS Frameオン) | [avg] 581W [max] 628W | [avg] 484W [max] 500W |
farcry6(グラフィック品質:最高) | [avg] 511W [max] 607W | [avg] 450W [max] 506W |
MSFS SOARING (TAA) | [avg] 615W [max] 682W | [avg] 410W [max] 424W |
MSFS SOARING (DLSS : BALANCE) | [avg] 504W [max] 547W | [avg] 332W [max] 342W |
雑感
最近のCPUの傾向と同じくスイートスポットはPower Limitを50~60%設定したあたりにあります。
電力効率が上がり、GPU温度も下がるのでケース内の排熱やファンが高回転すぎて煩いときはPL値を絞って環境に合わせるのもありです。
GeForce RTX 4090を購入するにあたっては一番のハードルがケースに収まるかということでした。
問題はグラフィックボードの高さで、色々と問題になっている12VHPWRケーブルの根本からケースの側面へのクリアランスが充分確保されずに接触してしまうのがほとんどでした。
そこで比較的高さが抑えられている「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」を選択しました。
公式スペックでは高さが137.7mm。
使用しているケース、Define7Compactに実際に取り付けてみると・・・
推奨さてれいるクリアランスよりかは足りなそうです。
これで使用してみますが、GPUの巨大化と12VHPWRの問題でかなり扱いにくくなっています。GeForce RTX 4090を搭載するPCであればケースのサイズにも気をつけないといけません。
ただ巨大化した利点なのか、負荷をかけてもファンの回転音が限界まで回している感じはなく静音性は良い方です。
「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」よりサイズが大きいGeForce RTX 4090カードはたくさんあるので、そちらを選択すればさらに静音性は高そうです。
大きさは正義とも言えそうです。
一番性能を高いのを買っておけば性能面で後悔することはないというのは本当かもしれませんが、今回は12VHPWRの半挿し問題で高価格なGPUが壊れるリスクがあるというのは少し納得のいかないところではありました。
ユーザにとっては不都合でしかないものなので、問題の改善版である12V-2×6コネクタは早急に置き換えを行い、ユーザにも分かる形でパッケージにも適用してもらいたいです。
Amazon:
GeForce RTX 4090
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