Socket AM5では最廉価帯のX670チップセットマザーボード「PRO X670-P WIFI」の消費電力を計測します。
X670はX670Eとは違いPCI Expressスロットが5.0に対応しておらずGen4.0になっています。
消費電力・ベンチマーク
PC構成
CPU | AMD Ryzen 9 7950X |
Cooler | noctua NH-U12A |
M/B | MSI PRO X670-P WIFI |
MEMORY | ARK ARD5-U32G88HB-56B-D |
電源 | Seasonic SSR-750TD |
SSD | crucial P5 Plus CT2000P5PSSD8JP |
OS | Windows11 Pro 22H2 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
一番下ののPCI-Eスロットは形状はx16ですが速度はx2です。
m.2スロットは4つありますがグラフィックボードに被りそうなのが2本と配置は良くありません。
バックパネルにはサウンドのデジタル出力(S/PDIF-OUT)があり、X670の最廉価モデルながら不足は感じられない構成です。
UEFIバージョン:7D67v19
アイドルの計測結果
メモリクロックは手動で「Ryzen 9 7950X」定格の5200MHz CL42-42-42-84に設定するとIdleの消費電力がなぜか58.9Wに跳ね上がりました。
5600MHzに変更すると40W台になり、再度5200MHzに変更すると40W台をキープしていたので5200MHzで計測しています。
UEFI設定 | 消費電力 | |
UEFI default | 42.3W | 46.8W |
↑ ERP Ready [Disabled] -> [Enabled] ※1 | 42.5W | 42.5W |
↑ Global C-state Control [Auto] -> [Enabled] ※2 | (56.2W) 42.3W | 42.6W |
Asmedia Sata [Enabled] -> [Disabled] | 42.0W | 42.0W |
Global C-state Controlを[Enabled]に変更すると56.2Wに消費電力が上がりました。
Asmedia Sataを[Enabled]に変更すると42.0Wまで下がり、その後Asmedia Sataを再び[Disabled]にすると42.3Wとなりました。
メモリクロックの変更といいUEFIの設定変更の電力変化は不可解な点が見られました。
UEFI defaultと各種変更した状態でも特に消費電力の変化が見られないので、電力周りを意識する設定は変更しないくていいのかもしれないです。
続いて電源設定を変更します。
Windows電源設定 | 消費電力 |
※1の状態 電源プラン[バランス]デフォルト | 42.3W |
↑ワイヤレスアダプターの設定 省電力モード [最大のパフォーマンス] -> [省電力(高)] | 42.2W |
↑PCI Express リンク状態の電源管理 [適切な省電力] -> [最大限の省電力] カッコ内が※2の状態で計測 カッコなしが※1の状態で計測 | (51.2W) 39.6W ※3 |
PCI Expressリンク状態を[適切な省電力]から[最大限の省電力]に変更するとマザーボードによって異なりますが、消費電力は変わらないか下がります。
今回上がったのは初めてでかなり意味不明です。
Global C-state Controlで変な動きをしたので[Enabled]から[Auto]にしました。
→その後[Enabled]にしたらAutoと同じぐらいの計測結果が出ることもありました
同じMSIの「PRO B650M-A WIFI」はこのような不可解な動作はしていません。
UEFI設定をそのままに次回起動すると前回記録していた最低消費電力に届かないこともありました。
Windowsはクリーンインストールしているので、ドライバーやソフトウェアの相性があるのかもしれません。
最低記録のIdleが39.6W、DDR 5200設定のTUF GAMING X670E-PLUSが36.4Wなので若干高いぐらいです。
Cinebenchの計測結果
※3(Idle:39.6W)の状態で計測しました。
計測内容 | 消費電力 | スコア |
Cinebench R23 Single | 101W | 2010pts |
Cinebench R23 Multi | 304W | 36612pts |
Cinebench R23 Multi・・・10分
雑感
「MSI PRO X670-P WIFI」は電源フェーズが14+2+1 80A SPS、8層基板、m.2が4つとX670チップセットの最廉価モデルながら構成はかなり豪華です。
m.2ヒートシンクが1つだったりグラフィックカード以外の拡張カードを取り付ける場合は、PCI-Eスロットの帯域には気をつけなければいけませんが、特にこれといった欠点もないように思えます。
電源フェーズはオーバークロックしなければ「Ryzen 9 7950X」でも十分なスペックです。
むしろ「Ryzen 9 7950X」でオーバークロックは伸びしろが少ない割に消費電力が激増するのでPPT制限を上手く利用してもう少しワットパフォーマンスが良い設定にした方がいいです。
そうなると「MSI PRO X670-P WIFI」の電源フェーズは余裕があるぐらいのレベルです。
PCI-E Gen5スロットを搭載するX670Eチップセットの「TUF GAMING X670E-PLUS」とGen4まで対応のX670チップセットである「MSI PRO X670-P WIFI」ではアイドル消費電力に大きな差は見られませんでした。
サンプルは少ないですが、X670Eだからアイドル消費電力が高くなるということはなさそうです。
Gen5対応ハードウェアを使用しない場面での検証なので、搭載デバイス次第では変化する可能性はあります。
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