DeskMiniの小型サイズはテレビサイドに置くリビング用PCとして最適です。
今回はそれを想定して4K液晶に60Hzで接続した状態で計測します。

PC構成
ベアボーン | ASRock DeskMini X600 |
CPU | AMD Ryzen 5 8500G AMD Ryzen 5 8600G |
Cooler | noctua NH-L9a-AM4 + AM5マウントキット |
MEMORY | crucisl CT2K16G56C46S5 DDR5-5600 16GB x 2 |
SSD | Samsung 970 EVO Plus 2TB |
OS | Windows11 Home 23H2 |
その他 | エレコム TK-FDM109 GbLAN接続 HDMI 4K接続(3840×2160)@60Hz ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
DDR5 5200で動作
室温27.1℃
UEFIはdefaultのままだとCPUファンの回転数上昇が緩やかすぎたので変更しています。
Fan StepUpTime [5] -> [1]
計測結果
消費電力

Idleの消費電力は安定せず、1秒毎の計測で3回に1回ぐらい7W台を出しますが、8~10Wも頻繁に出現します。「Ryzen 5 8500G(以下8500G)」「Ryzen 5 8600G(以下8600G)」どちらも似た計測値でした。
マルチスレッドのブーストCPUクロックとグラフィックコアのCU数の違いにより、CPUフルロードや3Dゲーム等では「8600G」が100Wを超えることもあります。
動画関連では「8500G」が若干低い傾向にありますが、Web操作から動画視聴や快適性は「8600G」との差は見られません。
Youtubeの4K動画までの検証ですが、それぐらいなら「8500G」でも十分なパフォーマンスを持っています。
動画視聴はFirefoxの方が高い数値が出る傾向にあります。今回はChromeで検証しています。
ファン回転数
条件の差がないようにCPUクーラーは「noctua NH-L9a-AM4 + AM5マウントキット」を使用しています。

※計測結果をまとめた後に「8500G」の回転数が後述する温度からしてもかなり低く出ているのでUEFIのファン制御が「8600G」と同一でない可能性があります。
高負荷な状態が続くと「8600G」の方はファンノイズが目立ちますが、ここに掲載していない動画視聴程度であれば「8600G」も静かなままでした。
CPU温度
各テストのCPU温度を計測しました。

CPU全コア負荷や3Dゲームは「8500G」でもかなり温度が上昇します。
DeskMiniに搭載できる薄型CPUクーラーの限界があるので仕方ないところです。
常時高負荷で運用する場合はファンが高回転になることを許容するか、TDPを制限するなどでCPU温度を落とす必要があります。
ベンチマークスコア
Cinebench R23とFF14ベンチを実施しました。

CPUはマルチスレッドで約12%の差、FF14ベンチでは約24%の差です。
FF14ベンチの結果は「8500G」が”設定変更を推奨”、「8600G」が”普通”と評価がでした。
まとめ
テレビサイドPCとしての評価として、動画視聴に重きを置くと視聴の快適性は問題なく、ピークの消費電力も低い「8500G」が向いています。
一方で動画コンテンツは最近のテレビはYoutubeやNetflix等、多くの動画配信サイトが使えるようなっているので、テレビ単体で完結することも多いです。PCを設置するなら軽い3Dゲームまでカバーしたいのであれば「8600G」も選択肢に入るのですが、その場合はDeskMiniと組み合わせることに疑問が残ります。
サイズ的な制約があり、DeskMiniの体積では「8600G」でも高負荷ではファン高回転+CPU高温状態が続きます。
それなら設置スペースを許す限りのケースサイズを決めて、Mini-ITXマザーボードと「8600G」や「8700G」も視野に入れて組んだほうが良いです。
DeskMiniは極小筐体という魅力の反面、導入後に温度の関係で騒音や熱でのパフォーマンス低下で使用用途が絞られる状況になると本末転倒になります。
ただ上記のようなことを言っていますが、最新デスクトップCPUが使用できますしストレージは4つ搭載できるなどの拡張性もあり、何も考えず導入してみてこの小さな筐体の魅力を一度味わってみて欲しいです。
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