Socket AM5はB650チップセットを使用してもMini-ITXはかなり高価です。
端子や拡張性も限られることからA620を使用して安価なモデルを出して欲しいですが、そういった発表もなく装備が充実している割に他のITXとそう価格が変わらないGIGABYTE B650I AORUS ULTRAを選択しました。
消費電力・ベンチマーク
PC構成
CPU | AMD Ryzen 7 7700X |
Cooler | noctua NH-U12A |
M/B | GIGABYTE B650I AORUS ULTRA |
MEMORY | ARK ARD5-U32G88HB-56B-D |
電源 | SUPER FLOWER SF-1000F14HT |
SSD | crucial P5 Plus CT2000P5PSSD8JP |
OS | Windows11 Pro 22H2 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
バックパネルはMini-ITXとしては充実した内容になっています。
UEFIバージョン:F6a
アイドルの計測結果
UEFIデフォルトはメモリクロックが5200MHz CL42-42-42-84でした。
UEFI設定 | 消費電力 |
UEFI default | 39.4W |
↑ ERP Ready [Disabled] -> [Enabled] | 39.5W |
↑ Global C-state Control [Auto] -> [Enabled] ※1 | 39.5W |
UEFIの設定値変更では特に変わりませんでした。
続いて電源設定を変更します。
Windows電源設定 | 消費電力 |
※1の状態 電源プラン[バランス]デフォルト | 39.5W |
↑ワイヤレスアダプターの設定 省電力モード [最大のパフォーマンス] -> [省電力(高)] | 39.4W |
↑PCI Express リンク状態の電源管理 [適切な省電力] -> [最大限の省電力] ※2 | 38.7W |
PCI Express周りの設定で僅かに下がった以外は誤差の範囲に収まっています。
省電力設定の変更による効果はほぼないようです。
最小構成でIdle消費電力が38.7Wとかなり高いです。
グラフィックやチップセットドライバーを何度か入れ直してみたのですが、変化はありませんでした。
Cinebenchの計測結果
※3の状態で計測しました。
計測内容 | 消費電力 | スコア |
Cinebench R23 Single | 86.1W | 1978pts |
Cinebench R23 Multi | 185W | 19393pts |
Cinebench R23 Multi・・・10分
雑感
B650I AORUS ULTRAはSATAコネクタやフロントパネルコネクタ・ファンケーブル等、独自のコネクタを使用して拡張しているものが多く、破損したり紛失する心配も出てきます。
Mini-ITXのサイズで色々なコネクタを実装するのはもう限界が来ているようにも思えます。
一方でMini-ITXでm.2が3スロット、ビデオ出力端子が3つ(HDMI/DP/USB Type-C)、ファンコネクタ3つ、バックパネルもUSBが7ポート(USB Type-Cはディスプレイ出力と共有)と機能が充実しています。
フロントパネルコネクタも狭いITXケースを使用する場合では逆に取り付けやすい要素にもなります。
SSDのヒートシンクに小さなファンがありますが、ファン設定がデフォルトだとかなりうるさいです。
ファンの質もよくないようで、中~高回転ではノイズもそこそこあります。
ファンコントロールはできるので、SSDとチップセットの温度が高すぎなければ調整する方が良いです。
また普通にビデオカードの取り付けを行うと、SSDのヒートシンクから出ているファンコネクタがビデオカードのバックプレートに接触します。
バックプレートがかなり発熱する環境ではケーブルが溶けないかの不安も出てきます。
アイドルの消費電力は最小構成でも40Wで、どこにそんな電力を消費しているのか謎です。
今後UEFIやドライバーのアップデートで落ち着いてくれるといいのですが、デスクトップ環境ではAMDはここだけIntelに明確に追いついていない箇所です。
B650I AORUS ULTRAは機能性は良いですが、普通に組んでも延長コネクタの多さやケーブル接触など疑問となる点がいくつか出てきました。
チップセットとしては最上位でないB650ですが、Mini-ITXでX670にする必要性もないのでB650を使用しつつハイエンドよりの機能にしたのかもしれませんが、もう少し機能を絞ったローコストのMini-ITXも欲しかったです。
今後出るかは分かりませんA620のMini-ITXに期待したいです。
更新:2023/6/21にGIGABYTEからA620のITXマザーボード「A620I AX」が発表されたようです。m.2が1つとあと1つ欲しいところですが、それ以外はこれで十分な内容となっています。
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