noctua NH-D15は空冷最強クラスのCPUクーラーですが、横幅が大きくビデオカードとの距離が近くなったり、ファンがメモリと干渉し、それを避けるために上にずらすことで高さが増してケースに干渉しやすいというデメリットがあります。
そこでサイズもコンパクトになり扱いやすいNH-U12Aに変更してみました。
写真での比較
【正面】NH-D15が横、高さとも一回り大きいです
【横】NH-D15は自重で少し傾いています
NH-U12Aはツインタワーではないのでだいぶ奥行きが抑えられています。
【上面】奥行きの違いがさらに分かりやすいです
【箱】ついてに箱比較
横幅はほぼ同じで縦が1.5倍ほどNH-D15が大きいです。
NH-D15ははじめその箱の大きさにびっくりした記憶があります。
CPUヒートシンクとビデオカードのクリアランス
左・・・NH-D15
右・・・NH-U12A
NH-D15はビデオカードとの距離がほぼなく、そのままでは取り付けや取外しができません。
また前面のファンは完全にメモリーを覆っているので、メモリー交換にはファンを外す必要があります。
一方NH-U12Aはビデオカードとの距離に余裕ができ、メモリーも全スロットにアクセス可能です。
計測
PC構成
CPU | AMD Ryzen 9 5950X |
CPUクーラー | SCYTHE MUGEN5 Rev.B SCMG-5100 |
マザーボード | GIGABYTE B550 VSION D-P |
MEMORY | Crucial Ballistix BLS16G4D30AESC x 2 (16GB x 2) |
GPU | ASUS TUF-RTX3080TI-O12G-GAMING GeForce RTX 3080 Ti |
電源 | Seasonic SSR-850PX 80 PLUS Platinum 850W |
SSD | Crucial P5 CT1000P5SSD8JP WD Blue WDS500G2B0A WD Blue WDS100T2B0A |
PC CASE | Define 7 Compact |
ファン | フロント NF-A15 HS-PWM chromax 500rpm固定 x2 リア NF-A12x25 PWM chromax 750rpm固定 ※CPU温度が89℃まで固定 |
OS | Windows10 Pro 21H1 |
その他 | logicool MK240 GbLAN接続 DP接続4K(3840×2160) ワットチェッカー REX-BTWATTCH1 |
フロント/リアファンは低速で固定、CPU/CPU OPTファンはSilentです。
5950XのAuto(定格)設定で実施。
計測結果
Cinebench R23 Multiを10分間走らせました。
NH-D15 | NH-U12A | |
室温 | 23.3℃ | 23.2℃ |
アイドル時温度 | 41.9℃ | 39.5℃ |
アイドル時ファン回転数 | 776rpm | 994rpm |
最大温度 | 73.4℃ | 72.5℃ |
最大ファン回転数 | 1548rpm | 2102rpm |
CPUクロック | 4.0-4.1GHz | 3.975-4.175GHz |
Cinebench R23 Multi スコア | 26705pts | 26995pts |
NH-D15の方が温度が高めに出ていますが、その代わりファンの音が抑えられています。抑えられているといってもそれなりに大きいです。
意外だったのがNH-U12AがNH-D15よりも低い温度になりました。
しかしファンの回転数が高く、高負荷時のファンの音はD15に比べ明らかに大きく高音寄りになっています。12cmファンと高回転が重なった結果です。
音を気にしなければ5950Xの定格でも(GPUロードがなければ)冷やせることが分かりました。
アイドル時はどちらも音が気にならないので、高負荷時の2つを比較すると静音性は明らかにNH-D15の方が勝っています。
簡易水冷は導入したくないという前提ですがあまりPC構成を変えることがない、マザーボード/ビデオカード/ケースなどの干渉がない、構成変更するときもビデオカードを外すことは苦にならないというのであればNH-D15の方が良いです。
CPUクーラー取り付け、取り外しの際はビデオカードを毎回外す必要が出てきます。
NH-U12Aは高性能な12cmファンを高回転で回し、冷却能力はNH-D15に近い性能を出しています。
全力回転のときのファンの音がNH-D15に比べると大きいですが、今回検証したのはRyzen 9 5950Xですので、それより発熱が低いCPUなら十分NH-U12Aで熱処理でき、回転数も落とせます。
使用するCPUによってファンの音が許容範囲内で収まるのであれば、大きさはNH-D15よりかなり扱いやすいものになっているのでおすすめです。
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